刑事事件とは?
刑事事件とは、刑法やその他の刑事関連法規に違反した行為に対して、社会秩序を守る目的で国家が捜査・訴追を行う手続を指します。殺人、窃盗、詐欺、暴行など、人の生命や財産を直接侵害する行為のほか、公共の安全や秩序を著しく乱す行為も含まれます。刑事事件では、警察や検察官が捜査権限を用いて証拠を集め、起訴の可否を判断します。裁判では“合理的な疑いを差し挟む余地がない”という厳格な基準を満たす場合に限り、有罪判決が下され、懲役や罰金などの刑罰が科されます。
前科、前歴がつくつ社会生活に支障が生じることが多く、被疑者・被告人になった場合には、すぐに刑事事件に詳しい弁護士に相談することが望ましいです。
民事事件とは?
一方、民事事件とは、個人や法人などの当事者間での利害対立や権利・義務を巡る紛争を解決する手続です。たとえば、貸金や売買契約の不履行、損害賠償請求、あるいは離婚や相続に関わる問題などが典型例です。民事裁判では当事者が自ら主張と証拠を提出し、その説得力を裁判所が判断します。刑事事件のように刑罰が科されるのではなく、損害賠償や義務の履行など、民事上の救済がメインになります。
刑事事件とは違い、民事事件として訴えられたとしても、前科・前歴がつくことはありません。
刑事事件での手続と立証の特徴
刑事事件の特徴は、国家(警察、検察官)が主体となって事実関係を徹底的に捜査し、違法行為の証拠を明確に示さなければならない点です。警察や検察による取り調べや家宅捜索、逮捕といった強制力の行使が認められ、証拠が集まれば検察官が起訴・不起訴を決定します。検察官が起訴すると、被告人が有罪かどうか、合理的な疑いを挟む余地が残らないほど証明されなければなりません。これは刑罰の重大性ゆえに冤罪を防ぐための仕組みでもあります。
民事事件での手続と立証の特徴
民事事件では、主張責任と立証責任を当事者が負うため、自らの権利を裏付ける証拠を十分に示さなければ、裁判所に認められない可能性があります。一方で、当事者間の合意による示談や和解など柔軟な解決策も用意されており、裁判手続そのものを回避できる場合もあります。法的手続を経るよりも、話し合いで円満に解決を図るほうが望ましいケースも多いのが民事紛争の特徴です。
刑事事件と民事事件は両立する
刑事事件と民事事件は両立します。代表例としては、交通事故や傷害事件などが挙げられます。加害者が刑事責任を問われると同時に、被害者側は民事訴訟で損害賠償を請求する可能性があります。刑事裁判で無罪となっても、民事上の責任が認められることは珍しくなく、両者の判断基準は独立している点に注意が必要です。
刑事事件は「社会に対する罪」を問う性質が強く、民事事件は「私人間の権利調整」を目的とするものだといえます。実際に問題が起きた際には、どちらの制度を利用すべきか、あるいは両方の手続を視野に入れるべきかを慎重に検討することが大切です。特に複雑な事案や深刻な被害が生じた場合は、早めに弁護士(法律の専門家)に相談し、刑事・民事の両面から最適な方法を探ることで、トラブルの本質的な解決につなげられるでしょう。
まとめ
刑事事件と民事事件は、法制度の中でそれぞれ大きな役割を担っています。自分が事件(トラブル)の当事者になった場合や、身近な人が巻き込まれた場合には、早期に弁護士へ相談し正確な情報を得ることが重要です。十分な知識と適切な助言に基づいて行動すれば、トラブルを最小限に抑え、円滑な問題解決を図る道が見えてきます。
当法律事務所では、刑事事件という緊急性の高いに事態に対応しています。警察から取調べの要請を受けた、家族が警察に呼び出しを受けている、刑事裁判の被告人になってしまったという方は、すぐに当事務所までご連絡をお願いします。弁護士へのご相談は、早ければ早いほど、取れる選択肢が広がり、ダメージを最小化することにつながります。お問合せは以下よりお待ちしています。